ドジガヅくん

愛がなんだのドジガヅくんのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.4
岸井ゆきのさんと若葉竜也さんがもうね、もう・・・尊い。

20代後半になると「好き」ということを伝えずに関係が続いてしまう現象がフィクションではなくノンフィクションで実在する。それも恐ろしいくらい経験している人が多い。
この現象を今後は「愛がなんだ現象」と名付けても良いくらい、表現しきっていた作品だ。

テルコみたいな人もマモルみたいな人もナカハラみたいな人もヨウコみたいな人もスミレさんみたいな人も冗談じゃなく存在する。

現在もこのような関係の相手がいる人、思い当たる相手がいる人には心底胸に響きまくって究極胸が破裂してしまうほど息苦しくなる作品だと思う。
このような関係の相手と観に行った時にはどうしたものかね。
とりあえず結果を出さずにダラダラとセックスをしてしまうのかもね。それもあり。
タダ体の関係を求めているだけの恋愛とも違う、狂気じみているが、ある意味美しささえ感じるこの「愛」をどのように言葉で表現すれば良いのか、それは本人たちにも答えを出すのは不可能に近いのだろう。
もしくは、どんな言葉にしてみても軽くなってしまうかもしれない、そう思うと言葉に出したくないという気持ちも少しわかってしまう。
でも、この地獄の輪廻に決着をつけるのも自分なのだ。

マモルになりたいテルコ。
クライマックスの長回しもリアルがリアルすぎてどちらの心情に寄り添うべきか混乱してしまった。

大人になると何故言葉で伝えることが難しくなってしまうのだろう。恐くなってしまうのだろう。