わいわい

銃のわいわいのネタバレレビュー・内容・結末

(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


銃を手に入れたトオルが妄想など入り混じりながら淡々と壊れていく(最初から壊れていた?)様に、悲しくなった。

ラストまでずっとモノクロで話が進んでいくのだが、トオル視点で語られていく事でこのモノクロの冷たい画はトオル視点の世界なんだと思った。

銃を通して、親との過去や潜在的な意識が浮き彫りにされていくトオルは
理性的に生きていたように見えるが、身を守るために過去や感情を封印して生きていた事がわかる。その世界観をモノクロで描かれているのだと思った。
その忘れさられた感覚を渇望するかのようにセックスをし、銃に魅了されていく。

登場人物達は皆、自分の拠り所を探していて、トオルは銃に見出す。銃は干渉もなければ快感を与えてくれる。
銃を磨いてる様はトオルは銃にメロメロである。

ラスト、ついにトオルが電車の中で人を殺してしまうシーン
人を殺した瞬間、今までモノクロで進んできた画面がカラーに変わる。
それは、今まで理性を保ってきたトオルの世界が
人を殺す事で内に秘めてた感情が一気に表に姿を現しトオルは何かを取り戻したように見える、だけどそれは完全に崩壊していく始まりのようにも見える。カラーになる事で視点が混じり、これは紛れも無い現実だと思い知らされる。

殺される相手の役者は村上虹郎のリアル父の村上淳で
サプライズ出演にも見えるけど、トオルの過去から
そこにもメッセージはある?

理性や自意識がごちゃごちゃになった
ハッピーエンドのようなバッドエンドのようなラストが良かった