『アダムス・ファミリー(1991年)』を3DCGアニメーションとして甦らせたホラーコメディ映画。まず"ダダダダン！"のお約束の主要BGMと怪奇の妖しいミュージカルの要素を取り入れたシーンは、すべてオリジナリティ溢れ、原盤の美点をアップデートできている。最初に結論を云えば思ったより"大暴れしない"脚本だった。おもに"モンスター一家と人間社会の対立"を主軸に、最終的には理解し合うというような縮図だが、本作ではアニメという特性をいまいち発揮できてないように思う。いわゆる世界観の狭まった感じや、ご近所同士のいざこざでほぼシナリオが収束している雰囲気は否めない。フリークスいわば見た目で判断せず、という定番のテーマ性や実は人間のほうが悪…という頓知はわかるが綺麗過ぎる方向で作品の着地点が設定されてるのは残念だった。ラストでかかるヒップホップ感満載の洒落た音楽は最高。また本日発表された日本公開の第二弾の続編に加えて、次回はもう少し本領を発揮して大暴れしてもらいたい。
