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モンスターハンターのRのネタバレレビュー・内容・結末

モンスターハンター(2019年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2021年のアメリカの作品。

監督は実写版「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソン。

あらすじ

アメリカ陸軍のナタリー・アルテミス大尉(ミラ・ジョヴォヴィッチ「パラダイス・ヒルズ」)率いる国連のセキュリティチームは砂漠で行方不明となったチームを探している最中に突然、謎のポータルに引き込まれる。そこに現れたのは現実世界にはいないモンスター「ディアブロス」だった!!

御多分に洩れず、俺自身、モンハンは大好き。懐かしきPSPの「モンスターハンター ポータブル」から激ハマりして、そこから
DS、PS4、そして最新作「モンスターハンターライズ」のSwitchとハードが変わっていく中でも、ずっと追い続けてきた(愛用武器は、ミーハー代表の太刀笑)。

そんな大好きなモンハンの実写映画化の報を聞いた時は遂にきたか!!という感じでワクワクしたもんだが、監督はあの「ダメな方の」のアンダーソン!!俺はやったことないが同じくカプコンのファンも多い「バイオハザード」シリーズを(いい意味でも悪い意味でも)めちゃくちゃにした彼が監督するとあってめちゃくちゃ心配だったんだけど、今は少しずつ再評価されている流れもあって、「イケてる」アンダーソンなんて言われ始めてるし、予告の馴染みあるモンスターたちのCGもめちゃくちゃリアルで迫力があったので期待3割、不安7割くらいの割合で遂にアマプラで観たんだけど…。

結論から言えば、なんだ、やっぱダメなアンダーソンじゃん!!腐ってもゲームファンの1人から観るとちょっと許せないくらい酷い作品でした。

お話はあらすじの通り、というかお話の骨格自体がまずダメ。みんなが期待する実写化ってそれこそPS4の「ワールド」をそのまんま実写化したような入りから、あのモンハンの世界そのまんまみたいなものだと思うんだけど、まず現実世界とリンクさせるってところがまずダメすぎる。そこは絡ませるべきじゃないだろー。

で、主演は「バイオ」シリーズに続き、5度目のタッグとなる監督の実の奥さん、ミラ・ジョヴォヴィッチ…。

いや、ミラ自身は別に好きでも嫌いでもない女優さんだけど、「バイオ」後半でも思ったけど、この監督が使うと「俺の奥さんすげーだろ!」感が強過ぎて、途端に白けるんだよなぁ。なんかゴリ押し感もあるし。

で、そんなミラが演じる大尉率いるチームが異世界に迷い込んで、モンハンを代表する強モンスター「ディアブロス」と対峙するんだけど、ここは良かった。

ゲームそのまんまな姿を完全に立体化し、動き回る様はただただ感動で、加えて舞台も真っ昼間の真っ白な砂漠なのでごまかしなしでありのままのディアブロスを体感できる。

その中で、屈強な兵士たちが繰り出す銃火器が全然歯が立たず、ディアブロの角や尻尾で吹っ飛ばされて、つんざかれる様は数々のハードで防御や立ち回りが弱くて一瞬で即死して3死ゲームオーバーになったトラウマを蘇らされる笑。

で、それなりにいたチームの2名が死に、死に物狂いで逃げおおせた先で待ち構えていたのは個人的に結構好きなモンスター、鋏角種のモンスター「ネルスキュラ」。このチョイスも良い。原作よりも生息する洞窟内の暗闇演出を生かした不気味さと群れで襲いかかってくる圧倒的絶望感は「バイオ」とは別の「捕食する側」と「される側」の命をかけた鬼ごっこ的なサバイバルとなっていてかなりスリリング。

加えて、アルテミスの右腕ポジ的なやつがどうやら体内にネルスキュラの卵を産み落とされていたらしく、アルテミスに救われた後に、急に体内から赤ちゃんが生まれてきて体を食い破る様がめちゃくちゃ悪趣味で、ここはモンハンにはないグロ演出にもなっていて、刺激的。

ただ、良かったのはそこまでで、そこからあれだけいて、それなりにキャラも立っていたチームがアルテミス以外退場、序盤はミラの独壇場サバイバル展開に。

また、それが結構長い…。お前の奥さんもうええて!!

で、中盤から遂にモンハン世界のハンター(トニー・ジャー「唐人街探偵 東京MISSON」)が現れるんだけど、この配役のチョイスも「これじゃない」んだよなぁ。

トニー・ジャーといえば「マッハ!」を代表するタイのアクションスターな訳で劇中でも、それなりにアクションはあるにはあるんだけど、じゃあそれが対モンハンには生かされるかと言えばそれほどでもなく、加えて顔立ち的にはそれほどスクリーン映えするような顔でもなく、(個人的には)地味な顔なのでスクリーンに耐えうるスター性もそれほどない。余計そう感じてしまうのは、この2人になった後のサバイバルも長いから!これなら後半から登場する大団長を演じたロン・パールマン(「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」)とか日本から参戦のルックだけならゲームそのまんまな山崎紘菜(「姉にヒュッゲを教えたい」)と早々に合流させた方が基本的野良を入れて4人で戦う「モンハン」感が強まったのでは。

まぁ、とにかくこの2人のパートが長くて凄まじく退屈。出てくるモンスターも基本ディアとネルスキュラだけなので、いやもっと他のモンスター見せろよと。あー、予算がないのか!

しかも、結局決定打はチームが残した銃火器。そこに至るまでは色々とギミックがあったり、どうやらミラ自身がゲームで愛用している双剣(はい、出ました奥さん愛。)を武器に練習する様が描かれるんだけど、ここもとくにモンハンらしさはあまり感じられない。

で、ようやく後半から肉要員のアプケロスが登場して「上手に焼けましたー」そのまんまな肉焼シーンがあったり、アイルーにしてはガタイ良すぎなワイルドアイルーが出てきたり、上記の大団長や受付嬢が出てきて、戦う相手もモンハンの元祖看板モンスターの「リオレウス」がラスボス的に出てきて、いよいよモンハンらしくなってくるんだけど…。

ようやく!というところでまた現実世界に行っちゃう…。で、そこでもまたミラ1人だけがフューチャーされて、そこにリオレウスがやってきちゃって、現実の軍隊と戦うパートになっちゃうんだけど、見た目だけならドラゴンそのまんまなレウスと軍隊の戦いって他の映画でもできちゃわないか?そこでも結局はミラだけが生き残っちゃって、なんか決着のつけ方も雑というか、レウスが可愛そうというか…。あー、マジでこれじゃない。

ラストは見た目だけなら一番禍々しさのあるゴア・マガラも登場して、なんか謎のハンターも現れて「俺たちの戦いはここからだ!」
的なエンドになってたけど、これ続き誰が観たいん?

本当なんつーか、「バイオ」はやったことなくて、実写化やってた時には対岸の火事的に他人事で観てたけど、ようやくその時に一部のバイオファンが感じたであろう「原作レイプ」を感じたというか…。怒りしかないですね、なんでこんなことになっちゃったんだろうと。

とにかく奥さんゴリ押し感強すぎな作風が強過ぎて、それやるならどっか別の作品でシコシコやっててほしい。これに持ち込むなよ。

誰か別のマトモな監督で改めて実写化してくれることを祈ります。
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