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THE GUILTY/ギルティのタロウのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.9
『THE GUILTY/ギルティ』

声と音しか頼れない___

一人、また一人と通話相手への対応をこなすアスガー・ホルム(演: ヤコブ・セーダーグレン)は警察官ではあるものの、訳あって本来仕事がしたい現場ではなく、緊急通報司令室でオペレーターとして各所に指示を送り、捜査が円滑に進むよう尽力する日々を送っていた。
「わざわざそんなことでかけてくるな、、」そう言わんばかりの表情で、今日も通話に耳を傾けていたアスガーの元に、一人の女性から通報が入る。すすり泣くような彼女の声の後ろで、車の走行音らしき音が。違和感を感じたアスガーが一つ一つ探りを入れていくと彼女は、「誘拐された」とのことだった、、

音だけが頼りの世界ってこんなスリル満点なのか!ましてや、通話相手は今まさに誘拐されていて、今にも危ない目に遭うかもという状況でどこにいるのか?どんな状態なのか?相手はどんなやつなのか?何も分からない緊迫感が、イヤホンの向こうから聞こえるいろんな音を通して十二分に伝わる。今回、パソコンにイヤホンつないで観たけどほんとに、終始アスガーと同じ気持ちでハラハラしてた。

知りたい情報も、声や音からしか得られないし、そのためには一秒でも長く電話に応じてもらう必要があって、相手の気分にも左右されるからなかなか手がかりが得られないからもどかしい!けれどそこは、現場での経験値があるアスガー。多方面から手がかりを得ようと奮闘してた。

けれどそんなアスガー、女性の安否に気が向きすぎてほかの通報おざなりにしてたのは、警察官としてはダメだよね。そうさせてしまう「声と音でしか判断できない」って状況が怖い。それが後半のとんでも展開にも繋がっていくしね。

実際にあって話した事も無いのに、その人が持つほんの一部分(今回の映画だったら「声」)だけでその人がどういう人間が決めつけちゃうことって往々にしてあるんだろうし、実際自分自身もそういうことが無かったとは言えない。どうこう言う前に、相手をちゃんと知ろうとするのが第一だ、と強く感じました。
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