カール似じいさん

THE GUILTY/ギルティのカール似じいさんのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.9
電話って難しい。

今作は警察の緊急ダイヤル室だけの描写が最初から最後まで続く。観客は主人公とともに電話口から聞こえる音や内容や空気感を感じながら、緊急ダイヤルにかけてくる様々な内容を追いかけていく。

この映画のタイトルはTHE GUILTY
直訳すると罪
ただ、映画を見ていくと緊急ダイヤル当番の主人公は淡々と電話応対をしているので、
どこがGUILTYなのだろうかと思っていた。
どちらかと言えばDUTY、義務や職務の方が正しいのではないのかと。

しかし淡々と電話応対を続ける主人公のもとに
女性からの助けを求める不可解な電話が来る。
この女性からの電話が1つの大きな事件へと発展し、タイトルがなぜTHE GUILTY なのかという答えも明らかになっていく。

この映画はかなりのネタバレ厳禁だと思うので内容についてはここまでにしておく。



話は変わるが、私は仕事柄よく電話をする。
そんな電話対応でも、時には瞬時に内容の理解を迫られ、返答しなければならない時もある。そしてその返答には責任が伴う。
だが、電話というものは理解したつもりでも、色んな誤解を生んでしまう恐れもある。
私の仕事上での電話と今作の警察の緊急ダイヤルではレベルが違うのだが、
内容や相手の様子、状況を瞬時に予想、理解すること、その上で返答する内容には責任が伴うことに改めて電話の難しさを感じた。

そんな電話応対を観客と一緒に追体験していく。
観る人によって見えてくる情景は違うと思う。
自分だったらどんな返答をするか、
という視点で観るのも面白いのかもしれない。

映画館で見るのも勿論面白かったが、
レンタル開始後にヘッドホンで観るのもまた臨場感が増す映画なのではないかと思う。

うん、もう一回ヘッドホンで観たい。