すごく愛とリスペクトのある映画だと思った。鬼才とはよくいうものだけれど日本語のそれとはちがってお話しや役の落とし所であったり、映画としての在り方だったり、をきちんとふまえていてそれでいて人間に対しての純粋な興味を失わずにいつづけるからこその鬼才なのだとおもう。まぁ観た後にためいき10回くらいはついちゃう映画だったけど、その不快感をきちんとのこしてくるあたりもわかっててやってて気持ちいいのか気持ち悪いのかわからない。それから表現をする、ひとたちに通じてあるのはこころの底にあるものすべてを出し尽くすことへの集中力と体力と勇気。だからこそ、そのひとたちがどういきてきたのか、何をかんがえてきたのか、の厚みがすごく大事におもえるし滲み出る。じぶんでつくっていくものではなくて向こうからやってくるもの。望んで得ていけるものではないからこそ特異な存在が現れる。そういう人達がたくさんにいた。お話の内容と相まってひとときも目を離せなかったし息をつくタイミングもなかった。いちばん美しくそしていちばん醜く魅せる。ギャスパーノエ はそれに長けている。
