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CLIMAX クライマックスのgnspのレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
3.0
イカれをイカれが、最悪を最悪が塗り替え続けていく。
まさしく「狂乱の宴」

劇中全く絶えることのない音楽。
パーティー音楽独特のアレに重なる、
唸り声・呻き声・叫び声という
「人間の醜悪の塊」が、もう堪らなく最悪だ。

この作品の芸術性は、あまりにも狂った色遣い、そしてあまりにも狂ったカメラワークに集約されている。
色遣いはサングリアや諸々の「朱」が一番印象的だったが、対照的な「緑」もまた地獄じみていて素晴らしい。
そしてカメラは、まるで観客も一緒にラリっていく追体験をさせられているかのような、まさしく「縦横無尽」ぶり。

そしてダンサーたちのパフォーマンスもシンプルに見どころ。
序盤のパフォーマンス用ダンスのシーンは、変態的ながら秩序だっている素晴らしい演目。随所に見せるソロプレイも流石ダンス経験者のソフィア・ブテラ&他全員も本物のダンサー。

その彼らの表現力が暴走していく様は、恐ろしくも美しい。
各々個性的なイカれ方をしてくれるので最高、そして最悪。

ただ出てくる人らは覚えられる人だけ覚えていればいい、だんだんどうでも良くなってくる人もいるから。

というかあの意表を突いた始まり方。
文字通り「クライマックス」を示唆していてすっげー洒落ててすき。

まあ面接映像やら会話やら、冗長に感じたシークエンスは多々あったけど、
それはもうノエのさじ加減なので仕方ない。


そこに意味なんてない。
ただこのカオスに呑まれて、すべてを露わにすればいい。


のっちに似てる子もいたのでパフュクラも観に行くといいさ。
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