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CLIMAX クライマックスのnannのネタバレレビュー・内容・結末

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

この中毒性は2019年一番かもしれない。
ダンスのパフォーマンスシーンはそれだけで本当に何度も観たくなるし、内容は至極シンプルで密室ミステリーという趣もある。

ソフィア・ブテラさん以外はほぼ俳優ではなくプロのダンサーとのこと。脚本は5ページのみ。芝居は大方即興。
いつものギャスパーノエではある。ギャスパーノエ印がそこかしこにある。
「アルコール(ドラッグ)を啓蒙するための映画」というテーマもわかりやすいし、冒頭インタビューシーンなどやや長ったらしく感じたりもするが、完全にエンターテインメント作となっていると思う。

***
2日置いて、再び観に行った。
冒頭のインタビューシーンでそれぞれが話していることがなるほどと繋がったり…。
特にプシュケが目薬の件とともに、「クリスチーネ・Fのようにはなりたくない」と言う。
ラストショット、プシュケがおそらくLSD入りの目薬をさす、そのキャメラが移動する前に写す彼女の荷物の中に紛れている本は、LSDの精神療法かなんかの本と、『Christiane F. – Wir Kinder vom Bahnhof Zoo』だったと思う。
だからなんだと、犯人が誰だとか動機はとか、そんなのはあまり意味をなさないだろう。
映画のエピローグ、警察犬とともに警察が3人現れるが、あれは翌朝ということだろうか。あんな山奥(?)にどうしてやってきたのだろうかとどうでもいいことが気になってしまったりもする。二度目に観ると。
そして妊娠しているルーは、妊娠がわかっていてあんなに激しいダンスをそもそも踊っていたのか? ドラッグでハイになった輩に堕胎しろなどと詰め寄られ自分の腹を殴る素面の彼女の行動は純粋にひっかかってしまったりする。

ダンスシーンだけをYou Tubeで繰り返し観てしまう。
最高にクールな映画だ。
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