りっく

ハロウィンのりっくのレビュー・感想・評価

ハロウィン(2018年製作の映画)
4.0
ブギーマンとジェイミーリーカーティスの40年の時を経た一騎討ち。世の中が最も浮かれている日に、狂人の妄言だと思われていた自分の言う通りになる興奮や高揚感と、奴の恐ろしさを知らずにナメている周囲への苛立ちと、自分がやるしかないという覚悟。この感情は何も殺人鬼に対してだけでなく、震災やウイルスにも当てはまるのではないか。

マイケルがブギーマンになり野放しになるワクワク感もさることながら、浮かれた街に降り立ち流れるように人を殺すワンカットや、田舎の汚いトイレでの惨劇など、見せ方がいちいち気が利いており、またシークエンスの繋ぎの暴力的なぶつ切り感もいい。

対するジェイミーリーカーティスも、おそらく周囲に変人と白い目で見られながらも、「テイクシェルター」のマイケルシャノンのように家族を守る地下室をせっせと作り、「ホームアローン」のマコーレーカルキンのように家に罠を仕掛けった40年間の歳月を思うと、それが報われた達成感とカタルシスに観客も浸る。
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