ミステリ・コメディ。クレジットは原作秋田實、演出・脚色岡田敬。マーケットで失踪事件発生、米屋の主人が姿を消す。そこでアチャコ肉屋の使用人エンタツが探偵役を名乗り出て、マーケット封鎖、捜査を始める。のだが、エンタツは頭がヘンなので全てがデタラメ、しかもアチャコが傍にいると、二人で延々漫才をはじめて映画を脱線させるから出口が見えない。作りは知的で、ミステリとしての型は崩れないので、不条理演劇めいて見える。最後は登場人物みんなでマーケットを破壊、路上へ飛び出しサイレント映画調のカーチェイスとなる。戦前映画の高水準を体験できる。