りんごあめり

ロケットマンのりんごあめりのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.0
タロン・エガートンを主演に迎え、エルトン・ジョンの半生を映画化した『ロケットマン』。天才、大スターの物語で、自分たちとは世界の見え方も考え方も何もかも違うのかなと思いきや、心の底に潜むのは誰もが感じる孤独や絶望だったりするわけで、それがエルトンの心を揺さぶる曲やタロンの繊細な演技とともに心にスーッと染み込んでいく。どうしてエルトンの曲がここまで多くの人に愛されたのか――。それは誰もが持つ普遍的な感情を誰よりも彼が一番知っていたから。

劇中ではド派手な衣装や名曲がたくさん登場するけど、それらは決して主役のごとく出しゃばったりしない。あくまでエルトン・ジョンという人物の物語だ。

比べるもんじゃないけど、『ボヘミアン・ラプソディ』より断然『ロケットマン』の方が好き。タロン・エガートンが好きっていうのもあるけど、彼がすべて吹き替えなしで歌唱しているのが大きい。

タロンを初めて知ったのは『キングスマン』(2015)だけど、その時は「何、このお兄ちゃん」って感じで、ここまで大きな作品の主役を張るなんて全然想像できなかった…!振り返ってみれば、私、タロンの作品って『キングスマン』シリーズしか観てない(笑)『SING/シング』は吹替版で観てたし。

そんな私がこの映画で一番好きなのは、タロンが「ユア・ソング」を歌唱するシーン。心の隙間にすっと入り込んでくるタロンの芝居と歌。今回は繊細な部分が際立っていたけど、次回出演作『フッド:ザ・ビギニング』は、高い身体能力を活かしたアクションをたっぷり披露している模様。こちらも楽しみだ。

2019年8月観賞
りんごあめり

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