コータ

3-4x10月のコータのレビュー・感想・評価

3-4x10月(1990年製作の映画)
4.5
『さんたいよん えっくす じゅうがつ』
めちゃくちゃ面白かった!!

北野武監督第2作目の映画で、企画・脚本から手掛けた初めての作品。キャストにたけし軍団を大量起用したこともあり、たけしの芸術性が自由奔放に花開いた作品となっている。

余白を多く残し、要所だけを切り取った演出が見ていて心地良い。音楽は一切ナシ、余計なシーンは描かないし、映像も台詞も説明めいたものは一切排除。ジャンプカットを多用した編集。濃密な100分弱を、笑いと暴力を交えてテンポ良く描いている。

地味な柳ユーレイを主人公に据えたことで、周囲の濃いキャラたちが存分に活かされる。前半はガダルカナル・タカの隠れた暴力性の恐怖、後半からはたけしの狂気を味わうことができるだけでなく、ダンカンに“萌え”ること間違いなしのシーンもいくつか用意されている。

ダンカンが歌う『悪女』のカラオケと、たけしがビール瓶でやくざをブン殴る姿とを360度パンの撮影で収めたシーン。

ストレチアの花が咲き乱れるオレンジの花畑の美しさが印象的なフラッシュフォワード的モンタージュのシーン。

独特のリズムとスタイリッシュな映像が印象的な、北野武監督の初期作品を代表する名作。監督最新作『首』とともに、是非どうぞ。
コータ

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