ドトル

3-4x10月のドトルのレビュー・感想・評価

3-4x10月(1990年製作の映画)
4.6
音楽もなく淡々と進むが、画面から溢れる狂気と美しさに引き付けられる。

主人公の柳ユーレイ演じる男は、最初から最後まで徹底的に傍観者的な佇まいで、何を考えているか分からない(何も考えていない)ようにみえる。
そのため、観ている方も誰に感情移入するわけでもなく、まるで悪夢を見ているような感覚に陥る。悪夢であるがゆえに支離滅裂だが、魅力的だ。

映画としての完成度は「ソナチネ」や「HANA-BI」の方が優れているかもしれないが、監督の才気が最も迸っている映画はこれじゃないか。
ドトル

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