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キングダムのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
3.6

キングダムシリーズ第1作目🎬

ストーリーは紀元前の中国を舞台に天下の大将軍を夢見る少年と若き王が困難に立ち向かいながら中華統一を目指す姿を描いた作品でした。雄大な自然と映像の質感・海外ロケーション・CG・アクション・豪華役者陣など素晴らしすぎます。これまで低評価だった山崎賢人ですが今作で評価がうなぎ登りです。

ストーリーはめっちゃめちゃ簡単な話で構成されていてざっくり言えば、互いの夢を叶えるために地位とか身分とかまずは置いといてタッグを組んだ二人が、根性と努力とポテンシャルと知識と策で王座奪還へ向けて突き進んでいく物語です。さすが集英社の王道バトルものです。努力友情勝利の三原則に沿って熱い熱い言葉が語られる様は、誰でも共感できるし誰でも胸を熱くさせる要素を持った作品でした。

一番低い身分である奴隷だった信がいつか天下の大将軍になってみせると剣の稽古をかかさず鍛錬し、死んでしまった親友の夢を背負って邁進していく姿は、今いる自分の立ち位置で満足している者、どうせ何をやっても変わらないと嘆いて何もしないでいる人たちに、努力を積み重ねていけばきっと道は拓けるということを身を持って教えてくれました。時に芯を突く発言で周囲を納得させる風格を漂わせることで、彼がいることで何かが変わるかもしれない、この四面楚歌である状況を打破してくれる存在なのかもしれないという希望の光を見せてくれる、、そして我流で磨いた荒削りの剣裁きは、一見がむしゃらで乱暴で無鉄砲な戦い方に見えるが、何度押されても倒れても敵に向かっていくむき出しの闘志が心を掴んで離さない。これを山崎賢人が見事に熱演していて、頭よりも体が本能的に動き学の無さ礼儀の無知さが表面からあふれ出ているやんちゃな男、信というキャラクターを十二分に理解し演じていたし、その上軽やかな身のこなしと高らかに跳躍して相手に挑んでいくアクロバティックなアクションシーンは本当に素晴らしかったと思います。この信と対照的な男・嬴政もまた熱き野望を抱いたキャラクターとして魅力的でした。冷静に事態を把握し戦況を見守る彼は、動である信とは違い静で観衆を魅了させる。頭に血が上ったままの信を一言アドバイスすることで落ち着かせたり、山の民と協定を結ぶシーンでも、国がしてしまった過ちを詫びながらも自分の野望を引き合いに説得を試みる姿、8万もの兵が待ち構えている城をどう攻略するかという作戦を誰もが予想しない策で勝機に導く知性、そして仲間の勝利を信じればこのピンチは必ず報われる、だから決して引くなこらえろと味方を鼓舞するリーダーとしての振る舞い。大望を持った者だからこそできる野心で、冷静さと賢さを持った者だからこそできる采配を見せてくれました。これを演じた吉沢亮もまた嬴政がもつ魅力を存分に発揮していたように思います。
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