daiyuuki

キングダムのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
4.7
紀元前245年の中国・春秋戦国時代、西方の国「秦」で戦災孤児となり奴隷の身分にあった少年・信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)は、いつの日か“天下の大将軍”になる夢を抱いていた。
そのために剣術の腕を磨いていた二人の前に秦国王に仕える大臣・昌文君(高島政宏)が現れ、どういう訳か漂を王宮へ召上げることに。
別々の道を歩み始めた二人だが、ある晩突然、漂が瀕死の状態で帰ってきた。事切れる前に漂に託された地図を辿っていくと、なんとそこには漂と瓜二つの顔を持つ秦国王・嬴政(吉沢亮)が身を隠していた。
漂は嬴政の影武者となっており、王都で起こった嬴政の弟・成蟜(本郷奏多)の反乱によって命を落としたのだった。
それを悟った信は激しく憤りつつも、嬴政を守った漂の意志を引き継ぎ、王座奪還に協力することを決意。やがて嬴政の本当の目標が「中華を統一し、唯一王となる」ことと知り、信は自分と漂の夢をそこへ重ねていく。
贏政は、王都を奪還するため山の民のリーダー楊端和(長澤まさみ)と同盟を結んで王都奪還作戦を実行する。
原泰久の同名漫画を中国オールロケで映画化。
贏政の身代わりになって死んだ親友の漂の無念を晴らし、漂と交わした「天下の大将軍になる」夢を叶えるために、信が「中華統一を目指す」贏政と組んでそれぞれの野望に乗り出す展開を、信がムタや処刑人ランカイや左慈などの強敵と戦う豪快で迫力満点のソードバトルや長澤まさみの半月刀二刀流の華麗なソードアクションや「ブレイブ・ハート」「ロード・オブ・ザリング」張りの合戦スペクタルの数々、贏政が王都奪還のために楊端和と同盟を結ぶ交渉するシーンや贏政を逃すために漂がおとりになって敵を引きつけるシーンやクライマックスの王都奪還作戦など原作の名シーンをふんだんに盛り込み、ガムシャラで強敵との戦いの中で成長していく信や野心家で誇り高い贏政やワンダーウーマンのような強さと美しさを持つ楊端和や得体の知れない強さと魅力を秘めた王騎将軍などクセの強いキャラクターの群像劇を絡めて描かれていて、日本映画離れした中国オールロケと衣装などの作り込みもあり、「コスプレ学芸会」と揶揄されがちなマンガ原作実写化映画の中で格の違いを見せつけるアクション映画では「るろうに剣心」に並ぶ合戦スペクタルアクション映画。
今回は、原作では5巻までいわば序章なのでぜひ続編を実現して欲しい。
daiyuuki

daiyuuki