ブタブタ

斬、のブタブタのレビュー・感想・評価

斬、(2018年製作の映画)
4.0
「血が全部落ちる迄少し時間がありますからそれ迄人生を振り返って下さい(,,・ω・,,)」
↑完全にサイコパスの台詞。
反戦メッセージが強い作品で、
都築=刀を抜けない侍=日本
澤村=そんな都築に戦いを強要する侍=アメリカ
の暗喩である事は分かるけど単にそういう反戦メッセージがメインの映画と捉えたくない。
見るべきはやっぱり剣のアクション。
劇場で見損ねたけど繰り返し見られる配信で見てよかった。
監督で実質主役の塚本晋也による超絶無双剣劇映画。
永野護『ファイブスター物語』で巨大ロボットMH(モーターヘッド)同士の戦いは音速で動く為に一瞬で終わってしまい、そもそも人間には全く感知出来ない。
そんな感じ。
侍に憧れながら兎に角、刀を抜く事が出来ない都築(池松壮亮)に対するフラストレーションが溜まりに溜まった処で澤村(塚本晋也)による凄まじい「殺陣」を見せる。
『鉄男:幕末編〝SWORD MAN〟』
突然現れて日常を破壊する塚本晋也監督演じる「澤村」は矢張りというか殆ど「やつ」
『鉄男 Bullet Man』が結局最後撃たないのは何で?と劇場で思ったけど、そのフラストレーションが10年越しで晴らされた。
黒澤明映画の斬った後の血飛沫ブシャー!!もやってくれたし言う事なし。
澤村と都築の関係は或る意味ジェダイ・マスターとパワダンみたいで始めから「人を殺す」ってダークサイドへの誘いと、それに対する迷いが最後まで都築を苦しめていたのだと思う。
だから最後にその全てが一瞬で爆発したあの「斬り合い」のカタルシスがあれ程決まったのだと思う。
其れから刀持った蒼井優は役柄もあるけど池松壮亮よりずっと強そう。
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