KanataAndo

さよならくちびるのKanataAndoのレビュー・感想・評価

さよならくちびる(2019年製作の映画)
4.0
心の隙間に入り込んでくる映画だった。
若さ故の気持ちを素直に言葉に転換することをまだ知らない不器用な生き方も生々しい人間らしさも全て尊い。
不器用が故、音楽を通してしか気持ちを発散できない、そこに気持ちを宿してきたから、言葉でのコミュニケーションはとても不器用。
生き方も言葉にすることも下手で、感情表現も下手な人間同士の少ない情報の中で、探る方の人間も深読みや嫉妬が入り混じった見解が入って余計空回る関係も、味と深さがあって好きだった。
自分が同じように複雑な環境下で育って不器用で天邪鬼だったから、子ども時代、青春時代を還してほしいと切に望んでいたこともこの映画を通して気づけたので、映画として、ではないけど、今の自分にとっては見てよかった作品。
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