kawaru

この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説のkawaruのレビュー・感想・評価

3.4
劇場にて。

先に断っておくが原作未読でアニメ2周程度、虹界隈の空気感は「めぐみん超可愛い」以外一切知らないという距離感で望んだ。そしてこれが最重要事項だが、TVシリーズ視聴時にわたしはめぐみんに憧れた。憧れたというのは好いた惚れたとは違くて、めぐみんになりたい、に非常に近い感情のようだ。そうだ、俺はめぐみんになりたかったんだ

視聴前、ティーザーから受ける印象に興奮しつつも「俺、というかめぐみん、いや俺?は一体どうなっちゃうの…」といった不安があった。めぐみんが本作の主役なのはTVシリーズからしても公然の事実なのだが、放送当時はまだ関係性というよりもカズマとかいうモブキャラの人間性が原因で生じる引力に他のキャラクターが巻き込まれるといった具合で、踏み込んだ感情はギャグの文脈で消費されるのが定型であったように思う。そんな中、核心に触れずとも明らかに、あたかも一本だけ混じった桃色の素麺のごとく(なんだこの例えは)、浮き立って見えたのが、俺ことめぐみんのカズマに対する、そしてその逆も真の、なにか特別な視線であった

本作ではその機微を露わにし、なおかつ掘り下げている。俺すなわちめぐみんの心は一種の解放をみた。カズマなる畜生の眼で俺つまりめぐみんを見せられたとき、それは単なる鏡ではなく、更にはめぐみんの心を映し返すような、 ーー嗚呼、そこに俺は介在しないのだーー 端と端がぴんと張った桃色の素麺だった(だからなんなのだこの例えは)

シリーズを踏襲して狙ったところにウケをぶち込む演出・脚本は懐かしくも面白く、劇場だがふつうに声だして笑った。このすば節といったところだ。むしろテンポは早めかつ濃厚で、スタッフの意気込みとノリが出てて好き。お疲れ様です&&ありがとうございます

意外にもTVシリーズであれだけめっちゃ最高で印象に残っていたOP・EDは素っ気なかった(映像的に言うと単にエンドロール流すだけ)のはどういう意図だったのだろうか?テーマソングは良かったのでそのうち買うんじゃないかしら

別段音響設備の良い劇場ではなかったが爆裂をでかい音と気合の入った作画で観れるのはそれだけで幸せがあった



めぐみんになりたい
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