たくみ

左様ならのたくみのレビュー・感想・評価

左様なら(2018年製作の映画)
3.4
【誰への左様ならなのか】
個人的に高校生を描く作品は綺麗すぎない方が良いと思ってます。
何故なら人生で最も浮ついてる時期だから。
お金も自由もあるわけでなく、恋愛だってその人と一生歩み続けるかわからない。
どこを切り取っても不細工なものだと思うので綺麗すぎない作品が好きです。
ジャンルは違いますが「14歳の栞」などが良い例です。

そんな何物でもない時期に友人の死やいじめなどを経験しても前向きに生きようとする由紀はとても輝いて映りました。

誰に向けての「左様なら」なのか。
死んだ友人なのか。いじめっ子の同級生か。
それとも友人を思い続け何物にもなれない自分自身なのか。

正解がわからないなりに、多くの人との触れ合いを通して何者かになろうとする由紀はとても良かったと思います。
少し難解な部分もありますが作中で描かれる由紀の優しさは愛おしいなと思えました。


映画に直接関係はないですが、スクールカーストを描いたこの手の映画を観るたび、スクールカーストの上で威張ってた人間って凄く可哀想だったことを思い出します。
学校という狭いコミュニティでしか威張れないから、社会に出た時に相手にされなくなる人が多いような気がします。

自分は、作中登場する女子が女子を嫌って崩壊していったクラスに学生時代いたので妙にリアルに感じました。
そういう人が良い人ぶって今を生きているのをSNSなどで見るといつかボロが出るんだろうなと可哀想に見えてしまいます。
やった事は消えないので、自分にもし子供が出来たりしたらそういう人間にならないように教えられる存在になりたいなと思います。
【その他メモ・独り言】
・「大人になったらくだらないと思えるんですか」「大人ぶるのが上手くなるだけ」
・人間関係の変遷が妙にリアル
たくみ

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