劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのJunのレビュー・感想・評価

この精巧で清純な物語は、一見ファンタジーのように見える。しかし、教えられたように、育てられたようにしか生きることのできない少女は、今の世にも溢れていることだろう。
　そして、この物語はどうしても背景を語らずして捉えることはできない。あの痛ましい事件が起きた京都アニメーションが、その悲劇から数年を経て完成させた、意思表示。「死を、決して一点的なものにしてはならない。」自分たちの生をもって、死者に意味をもたらし続けることができる。死者と交流することができる。