たく

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのたくのレビュー・感想・評価

3.8
いろいろあって公開延期されていた本作をようやく観られた。
手紙代筆業のドールとして働くヴァイオレットが自分の中に愛の感情を目覚めさせてくれた少佐への想いを貫く話で、「外伝」から入った自分としてはヴァイオレットがあんなに激しく感情を表に出すのがびっくりした。もうこれでもかと泣かせてくるお涙ちょうだい的な演出には困っちゃったんだけど、戦争による一生消えない心の傷を乗り越えるのは人の想いなんだっていう強いメッセージが伝わってきて、京アニ事件を思わずにはいられなかった。

現代のシーンから過去のヴァイオレットの時代に入って行く導入がスムース。ここに死期が近い少年からの代筆依頼のエピソードが挟まれて、クライマックスで思い出したように絡んでくる作りが上手かった。
ヴァイオレットの義手の無機質な中にある不思議な美しさが印象に残ったのと、ヴァイオレットが大佐に対して反射的に戦争マシーンの挙動を出しちゃうシーンはドキッとした。
終盤はもうベタといってもいいくらいの赤面展開なんだけど、茅原実里の挿入歌の声質に違和感があってここはちょっと白けたかな。
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