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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのESRのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

孤児の“戦争兵器”が手紙を代筆するドールとなったことで、感情を、愛を知っていく。今回は、TVアニメ版や、寝食を共にする親友を得た外伝を経て、新しくヴァイオレットが何かを学ぶという成長譚ではなく、自立してた女性として描かれる。

未来から振り返る構造自体は、あえて作品名を上げるまでもなくありふれたものではある。
だが、ヴァイオレットたちの軌跡を俯瞰するキャラクターの存在(しかもアンの孫…!)が、彼女の成長をアニメ版から見届けてきた我々と重なり、感情が溢れてくる。

クライマックスでは、カメラの振り方、音楽も交え徹底的に盛り立てていく。
このシーンはもちろん感動的ではあるのだが、自分はアニメ版の時からもっと何気ない、ふとしたシーンで涙が込み上げてくることが多い。そういった丁寧な描写こそが真骨頂だと思う。

ギルベルトが世界のどこかで生きていることを願いながら、彼が側にいない世界をヴァイオレットはこれからも生きていく――これまでの描き方からすると、このようなラストが相応しいのではないかと思ってしまう。
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