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凪待ちのodyssのレビュー・感想・評価

凪待ち(2019年製作の映画)
1.0
(以下はロードショウ公開時に鑑賞して某映画サイトに投稿したものです。そのまま再録します。某サイトは消失していますので、ここでしか読めません。)

実のところ、映画館で予告編を見てもさほど食欲が湧かなかったのですけれども、シネコンが無料配布している雑誌で「地球は男で回っている」という1ページの記事を連載している某が絶讃していたので、それなら、という気持ちで映画館に足を運んだのですが・・・

ダメダメでしたね。
もう「地球は男で回っている」を執筆している某の文章は、いっさい信用しないことに決めました。
鑑賞眼がそもそもないか、或いはコネで褒めたか、どっちかでしょう。
いずれにせよ、信用できない輩だとよく分かりました。

主人公(香取慎吾)はギャンブル癖があり、ケンカっぱやくて、どうしようもない男。
その彼が川崎から、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県の石巻に移住する。
事実婚相手の女性がそこの出身で、父が住んでいるからという理由でです。ちなみに母は東日本大震災の津波で死去したという設定です。また事実婚の相手には高校生の娘がいる。

その後の展開は省きますが、主人公がどうしようもない男なのに、事実婚の相手の娘と父のきわめて寛容な態度によって、主人公が立ち直るという筋書は、私からすれば倒錯しているというしかありません。

こんな男は、さっさと捨てればいいんですよ!
この映画は、ダメ男の甘え、というに尽きます。

筋書も通俗的というか、ご都合主義ばかり。
例えば最後にヤクザがいったんは踏み倒した競輪の当たり金を返却に来るって、そんなのアリかと言いたくなる。
祭日にもケンカして複数の出店に多大の損害を与えているんだから、こんな男は地域から総スカンをくらって当然なのに、なぜかそうなっていない。主人公の甘え、というより、映画制作者が地方、それも東日本大震災で多大な損害をこうむった地域に甘えているんですよ。どうしようもないですね。

白石監督は、「孤狼の血」は良かったけれど、「彼女がその名を知らない鳥たち」はダメだった。今回はそのダメなほう。残念。

ちょっと良かったのは、事実婚の相手の娘役の恒松祐里。最近、土○太○だとか芳○京○だとか広○す○だとか、全然美貌とは言えない若手女優が跋扈している中で、しっかりとした顔の造形が印象的。今後が楽しみです。

祐里ちゃんの祖父役の吉澤健も、悪くなかった。
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