このレビューはネタバレを含みます
吉澤健演じる昆野勝美の生々しい人間臭さは、地元の人間が観てもリアルで、素晴らしい演技だった。
主演の香取慎吾、恒松祐里は…。申し訳ないが役にはまってないように感じられ、違和感を拭い去ることができない。
役者のレベルに差がありすぎて、作品としてのまとまりが薄れて非常にもったいない印象。
ストーリーの展開について
①殺人の動機、経緯は不透明
(それ自体は悪くないと思うが「誰が殺したのか、なぜ殺したのか」
というキャッチコピーがあった分、期待値とのずれが大きい)
②西田尚美演じる昆野亜弓の死が軽い。情報やドラマが欠如したまま物語が進行するため、ストーリーや人物に感情移入できない。
③麿赤兒演じる軍司知彦(暴力団組長)は昆野勝美にかつて命を救われた
らしいが、浅はかな都合のいい設定をつぎはぎにしたような印象を受けた。
依存症に縁のない幸せな人は、反面教師にすればいいと思います。
身内や自分自身に経験がある人は、リアリティが感じられないと思います。
「俺のことなんてほっといてくれ」
「俺はどうしようもないくずなんだ」
このセリフを言葉にすることもできずに苦しむのがリアル。
言ってしまったらただの中二病。
リアルを伝えたい映画なのか、エンターテイメントなのか分からない。