このレビューはネタバレを含みます
のむコレ3にて。
互いにろう者である同性愛者カップルが、自分達の存在を否定してしまいそうになる日々の中で、同じような境遇のコミニティーとの交流を経て前向きに生きていこうとする様を描いたヒューマンドラマ。
出演者がほぼ、ろう者である為、全編手話による会話と字幕がつくという特異な形態なのだが、驚くほど違和感がない。
寧ろ、彼女らにとっては手話こそが母国語なので、表情や仕草もより自然である。
手話を理解していない私ではあるが、
恐らく字幕がなくても、なんとなくのやり取りは理解できる気がする。
それくらい台詞や字幕に頼らず、瑞々しい感情を捉えた映像にチカラがあるし、時折差し込まれるBGMが登場人物の心情をより効果的に伝える装置として機能していた。
LGBTとしての葛藤が主に描かれていたが、監督自身もろう者であり出演者もプロの役者ではない方が多いので、ろう者の実情をリアリティに伝える試みとして意義のある作品だったと思う。