ノリック007

ヒトラーと戦った22日間のノリック007のレビュー・感想・評価

ヒトラーと戦った22日間(2018年製作の映画)
5.0
差別の現実

原題は「Sobibor(ソビボル)」で、ソビボルのユダヤ人収容所を
示している良いタイトルです。
邦題の「ヒトラーと戦った22日間」に釣られて鑑賞すると、
ヒトラーは出てこないので、期待外れになります。

戦争映画なので、多数の人が出演し、ドイツ人は同じ軍服、ユダヤ人は
泥まみれの顔に同じ囚人服で、登場人物の見分けはつかないです。

ドラマ的な要素もエンターテイメント的な要素ないですし、実話映画
なので結果は分かっています。
人間関係を描いて分かりやすくなってもいないので、共感も感情移入
もできません。
ひたすら残酷なシーンが続きます。

ユダヤ人収容所としてはアウシュビッツが有名ですが、ソビボルも
ベウジェツも同じユダヤ人収容所です。

ユダヤ人収容所は有名ですが、ユダヤ人収容所で行われていた真実を
映像化したところに、この映画を観る価値があります。

ナチス・ドイツは、国家を持たないユダヤ人とロマ人の資産を軍資金
として没収し、労働力として利用するために、差別し、虐殺したことが
よくわかりました。

国家を持たないユダヤ人とロマ人の資産を没収しても、ユダヤ人とロマ人
に強制労働させても、ユダヤ人とロマ人を虐殺してもドイツはもちろん
他のどの国からも非難はありません。

ユダヤ人が国を欲しがる理由は、国の保護を受けられず、虐殺された
からだと理解できました。

ナチス・ドイツがドイツ人に支持された理由は、軍資金として高い税金を
支払うこともなく、労働を強いられることもなく、ドイツ人というだけで、
良い仕事に付くことができ、高給を手にすることができたからです。

日本人という属性だけにすがっている日本のネトウヨとドイツ人という
属性だけにすがっているナチス・ドイツは似ていると感じました。

ドイツ人という属性だけにすがっているナチス・ドイツは、平然と
ユダヤ人とロマ人を差別し、資産を没収し、労働を強制し、虐殺しました。

日本人という属性だけにすがっている日本のネトウヨは、平然と外国人を
差別し、人を侮辱する暴言を言って、心を深く傷つけ、人に暴力以上の
ダメージを与えています。

ナチス・ドイツも日本のネトウヨも愛国者ではなく、人種という属性に
すがって、差別するだけの不要な存在です。

カール・フレンツェル親衛隊員とグスタフ・ワーグナー親衛隊員は、
ソビボル収容所に到着したユダヤ人をガス室送りにして虐殺するか
ゾンダーコマンドとして強制労働させるかを選別します。

グスタフ・ワーグナー親衛隊員は、ソビボル収容所の建設要員として
派遣されました。

アレクサンドル・ペチェルスキー、通称サーシャは、ソ連の軍人でドイツの
捕虜となり、脱走を行い、ミンクスで身体検査で割礼が判明し、ユダヤ人として、
ソビボル収容所に移送され、ゾンダーコマンドになり、ルカを愛し、脱走の
リーダーになります。

ルカは、女性のゾンダーコマンドで、サーシャを愛しています。

レオ、アルカジイ・ヴァイスパピル、ポリス・ツィブリスキー、
セミュン・ローゼンフェンドは、ゾンダーコマンドで脱走を支援します。

シュモロは、両親と妹をガス室に送られた少年のゾンダーコマンドです。

セルマは、女性の赤毛のゾンダーコマンドで、ハイムを気にかけています。

ハイムは、メガネをかけた男性のゾンダーコマンドで、セルマを気にかけています。

トマスは、少年のゾンダーコマンドで、ナチス親衛隊を殺害するために誘導します。

映画を理解したいという人にはパンフレットの購入をお勧めします。
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