ヒトラーと戦った22日間の作品情報・感想・評価

ヒトラーと戦った22日間2018年製作の映画)

Собибор/Sobibor

上映日:2018年09月08日

製作国:

上映時間:118分

あらすじ

アウシュヴィッツと並ぶ絶滅収容所ソビボル。死が待つとは知らず、多くのユダヤ人が国籍や貧富の差関係なく列車で送り込まれ、ガス室で大量殺戮されていった。残った者には虐待と屈辱の日々が続く。そんな中、秘かに脱出を企てるグループがあった。しかし彼らには強力なリーダーがいない。そこに1943年9月、ソ連の軍人でサーシャことアレクサンドル・ペチェルスキーが収容者として移されてくると、彼と仲間は、緻密な計画の…

アウシュヴィッツと並ぶ絶滅収容所ソビボル。死が待つとは知らず、多くのユダヤ人が国籍や貧富の差関係なく列車で送り込まれ、ガス室で大量殺戮されていった。残った者には虐待と屈辱の日々が続く。そんな中、秘かに脱出を企てるグループがあった。しかし彼らには強力なリーダーがいない。そこに1943年9月、ソ連の軍人でサーシャことアレクサンドル・ペチェルスキーが収容者として移されてくると、彼と仲間は、緻密な計画のもと前代未聞の反乱を計画する。それは収容者“全員の脱出”だった。これまで歴史に隠されてきた“絶滅収容所で起こった最大の反乱”は、一体どのように成し遂げられたのか。

「ヒトラーと戦った22日間」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

とりあえず邦題酷いね。

そりゃ間接的にはヒトラーと戦ってるけど、そんなヒトラーアピールしなきゃナチス物だってわからないって思われてるのは腹立たしい。


収容所映画としては定番の列車到着、ガス室行きから始まるんだけど、ここからかなり気合が入ってて裸の女性たちがシャワーと騙されてガス室でバタバタ倒れて行く様をしっかり見せつけてくる。

一番最初に列車から降りてきた時にメインキャストかなって思ってた美女もあっさり死亡。


全員知らない俳優で1人明確に主役っぽいサーシャって人はいるけど、あとはいつだれが死ぬかわからない緊張感がずっと支配しててハラハラ。

誰か脱走を図ったら残った人たちの10人に1人が見せしめで殺される地獄。
宴会の余興で荷台を体力が尽きるまで引かされて倒れたら射殺される地獄。

体当たり演技でソボビル収容所の悪夢のような世界観を再現していて、ユダヤ人役もナチス役もみんな本当に頭下がる。


ちなみにユダヤ人側もナチス側もバンバン人が死ぬ映画で、
ユダヤ人側が死ぬときはあんまり血を見せないようなカメラワークなんだけど、ナチス側が死ぬ時はゴリゴリに残虐な描写にしててあからさまだった。

特にあのユダヤ人を面白半分で射殺する若い頃のヴィンセントドノフリオに似てる将校は斧で頭を粉々に砕かれた上にそれをガッツリ写すという露悪ぶり。

ちょっとスカッともするんだけど、ずっと同情の対象だったユダヤ人側に対しても「ひくわ‥」ってなるバランス感覚かもしれない。

ナチスの思想統制や戦争でみんなおかしくなってたというか、人によっては進んでおかしくなって自分を守ってたんだろうか。

とくにあの所長は昔ユダヤ人と結婚しようとして反ユダヤの父の反対で諦めた過去があったという設定で(実話なのかもしれないが)
ナチス側にも個人単位で見ると同情できる事情があるというバランスになってて考えさせられる。

映像としてはガス室の死体の重なりや最後の逃げるシーンなどリアル路線だけじゃなくアーティスティックで表現主義的なシーンもあってエンタメとして面白く見られるように作ってあったと思う。

最後の字幕によれば400人逃げて100人くらい助かるというナチス収容所ものとしてはかなり希望が持てる終わり方。

こんな実話があったのね。気になるのはここまで稀有な実話が今さらようやく映画化されたのはなんか理由があったんだろうか。
dancingufo

dancingufoの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

いやぁ、凄いドラマ。これを大脱走と言わずしてなんという。史実の重みに打ちのめされた。

脱走直前までに受けた仕打ちの酷いこと酷いこと。脱走があったという理由で10人に1人殺すとか。

それだけに、決行日、将校を順に殺害するシーンは、必殺仕事人のようなカタルシス感じた。

ガス室から出る騒音をごまかすために飼育しているガチョウが、将校の悲鳴をかき消していたのは笑えた。


冒頭、ガス室で殺された宝石職人の美人の奥さん。自ら作った妻への指輪を見つけた時のダンナの絶望感といったら………。胸が押し潰れそうになった。最後は火だるまにされたし。
冒頭の幸せそうな姿がより悲しみを深めた。

400人脱走したがその場で100人殺され、さらに150人が地元の人に殺され、引き渡されたとか。

深い溜息の連続。
お

おの感想・評価

3.4
絶え間ない、そして理不尽な暴力。
アウシュビッツと並ぶ収容所と言われたソビボル。

“ヒトラーと戦った”とあるが、ヒトラーは一瞬たりとも登場しない。
果たして彼らが苦しめられたのはヒトラーだったのだろうか、彼らに銃口を向け、家族を殺し、暴力を与えたのはヒトラーのような独裁者ではなく、もっとナチス末端の人間たち。
だとすればこういった理不尽さや抜け出せない苦しみっていうのはもっと僕たちの日常のすぐ近くに潜んでるんじゃ無いかなーとか思ったり思わなかったり。

“普通の人間が持つ、無限の冷酷さとそれを凌駕する闘争心”
名越さんいいこと言うね!
現代においてただなんとなく生きている自分に、生きているだけでも本当にすごいことなんだと教えられたような気がしました。
そんなに遠くはない時代にこんなことが実際に起きていたなんて本当に信じられなくて、作り話のように感じてしまうというか、作り話であってほしいというか、全く今を生きる自分とはかけ離れすぎていて、とにかく壮絶すぎます。
最近ナチス関係の映画を何本か見ているのですが、この映画は少しでも救いがあってよかったと本当に思いました。
戦争に関連する映画は見ていて本当に涙が止まらなくなることが多いし、辛い気持ちにもなりますが、このような時代に生きた人々のことはぜったいに知るべきだと思いますし、今自分に与えられた人生を悔いの残らぬよう思い切り生きることがきっとわたしたちができることなのだと思います。
ラール

ラールの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ナチスドイツを描いた戦争映画は何本も観たことがあるが、この映画に登場するドイツ兵(親衛隊員)は今まで観た中で一番恐ろしかった。
ガス室のシーンなど、とにかく残酷な描写が続く作品で、PG12指定されたのも納得できる。
最後の説明によると、脱走そのものは成功したが、捕まらずに戦後まで生き残った人は少なかったとのこと。そのうえ、無事に逃げ延びた人々に関しても、その後の人生はあまり報われたものではなかった。
史実に基づいた映画であるがゆえに、フィクションのような「脱走してハッピーエンド」にはならないのだと痛感した。

このレビューはネタバレを含みます

過去にヒトラーを取り上げた映画を何作品か観たが、これも予想に違わず重い作品だった。エンディングの部分で逃亡に成功した一人が南米で生き延びた将校の何名かを殺したというのも驚嘆した。半死の隊長が、まだ意識がある中で、目の前を大勢のユダヤ人が自由を求めて駆けて行く。ほんの少しだけ胸がすく思いだった。後でキャストを見たら、何とクリストファー・ランバートだったのね!?久しく見てなかったが凄く存在感があった。
alabama

alabamaの感想・評価

3.5
感情の一部や良心はどこにいってしまうのか。
ラストで流れる説明の、逃げ出した400人の内の150人を殺した相手に戦争の恐さを感じずにはいられない。
桑畑

桑畑の感想・評価

3.9
覚悟して観たがやはり胸糞悪い。丁寧に作られているが故に重く突き刺さる。観てて辛かったがソビボルの蜂起という事実を知れて良かった。
ラストに最後まで生き残るある人物のその後が語られるが驚愕。戦慄を覚えた。彼のその後の人生が気になってしょうがない。
M

Mの感想・評価

4.5
想像以上の狂気、迫力に触れ 悲しい、恐ろしい、怖い、そんな言葉では表せない程の喪失感や震えを味わった
なぜ人間は今も生きていて生きている意味などあるのか それすらをも考えてしまうような
生きるか死ぬか、死んだように生きてもいずれは殺される、なら殺す道を選ぶのかもしれない
でも私は人のために死ねるだろうか
自分以外のユダヤ人のために犠牲を払ってまでドイツ兵を殺すことが出来るのだろうか
リアルな描写に自分の心臓の音と映画の音がリンクするかのように緊張が止まらなかった 目を背けたくなるような描写やもう出てしまいたいと思うほどの残酷さ
もう二度とこのような事が起こらない世界であってほしいと願わずにはいられなかった

映画館を出て平和すぎるこの街がむしろ映画のような気にさえさせられる

ハンナ・アーレントの「悪は悪人が作り出すのではなく、思考停止の凡人が作る。最大の悪は思考の停止である。」と言っていた意味が初めて分かった気がした。
自由の定義は一体何なのか分からなくなった
ゆくぬ

ゆくぬの感想・評価

4.0
凄まじい映像と内容
淡々と描かれるドイツ兵の残虐行為が強い印象を残す
あっという間の2時間だった
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