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ドクター・スリープのKのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
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自身の作家性を保ちながら、これぞスティーブン・キング原作ものと言いたくなるような醍醐味に溢れた映画に仕上げてみせたマイク・フラナガンに拍手。独立して進む3つのストーリーラインが「シャイニング」によって徐々に混じり合い、遂に合流したときのカタルシスはフラナガンの前作『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』を超える何かがあった。ホラーと人間ドラマを絶妙な塩梅で掛け合わせるフラナガンの的確な演出。大地を走る車、それを追う禍々しくも美しい空撮の反復に戦慄する。ジェイコブ・トレンブレイが出てくる場面もすべておぞましくて最高だった。観ながら『デッドゾーン』を思い出したりした。

とはいえ、そもそものキングの考えたストーリーがそこまで好きではない。キングに気を遣った上でのキューブリック版の続編である、という点があらゆる点で勿体なく感じてしまった。「回想」はフラナガンのアイデアなのか知りたい。
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