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ドクター・スリープのtokoのネタバレレビュー・内容・結末

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

キングはやっぱりキューブリックの「シャイニング」が大嫌いで余程やり直したかったんだな…というのが1番の感想です。

あのラストのボイラーの件はキングが作り直したドラマ版のラストと全く同じたつたので「ああーなんだよ、これならもう観たことあるじゃん。」とまずこう思ってしまいました。

キング版のドラマ「シャイニング」では、ジャックが取り憑かれながらも自分もろともホテルを焼くことで、なんとか家族を守ったという感動的なラストで、そこを大胆に省いてしまったキューブリック版「シャイニング」の事を「まるでエンジンの無いキャディラックだ」って揶揄するほど嫌っていたのは有名な話だし、そこがキングにはとても大切だった、それはとても分かるのですが、あくまでもキューブリックの「シャイニング」の続編として作られた今作で、当の被害者であるはずのダニーが、今さらあそこで自己犠牲に死ななきゃならない事に全く納得がいきませんでした。

どうして父親の尻拭いで息子が命を絶たなきゃならなかったのか…。 別の人間である息子が父の責任を負うことがまるで美学みたいにどうしても感じってしまって、なんだかな〜って感じでした。

やっぱり「おお〜」と興奮する画は、キューブリックが作り出したビジュアルでその映像のセンスや圧倒的な画力を利用して、やっぱりあのラストに話を持っていくのはエゴイスティックな気さえしました。

とはいえキングが書く物語への引力ってやっぱりすごいし、この映画にもすごく引き込まれました。けれど、やっぱり…やっぱりキューブリックの「シャイニング」には勝てないんですよ… キューブリックがどんなにクソ野郎でも、途轍もない天才だったって事だと思います。

今まだもしキューブリックが生きていてこの続編を見たら、きっと激怒してるんじゃないかなーと思います笑
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