ShoichiTokuyama

僕はイエス様が嫌いのShoichiTokuyamaのレビュー・感想・評価

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
4.5
同い年で広告代理店勤務の方が作ったと思うと悔しい。それくらい良かった。

なんかフランス映画みたいな空気感で、ゆるーく話が進んでいく。子役の子の演技も「ほんとに演技?」って思うほど自然だし家族も「ああ、いそう、、、」「こういう事言いそう、、」っていう感じの台詞で違和感が全く無さすぎて逆に映画として違和感。笑

でもこの映画の好きなとこはそこじゃなくて、後からじっくり考えるとすごく深くて、題名の通り、「神様と大人なんてクソだ」と斜に構えて子供をすっごくユニークに表現してるところが凄い。

祖母の家に引っ越してきて、まず家に死んだおじいちゃんの仏壇が供えられている。なのに学校に行ったらキリスト教の学校。この対比面白い!主人公の僕が全く知らない世界に放り出されたことがよくわかる。そして祈れば必ず救われると毎朝礼拝させられて違和感を感じながらも毎日学校に通ってると神様が出てくる。すると小さい願い事が次々と叶えられて、、、

親友ができるんだけど、その子が突然交通事故にあってしまう。そしてどんなに祈ってもその子が結局死んでしまうっていうオチ。

それまでに細かな伏線があって、親友の家のお母さんがキリシタンで、いつもニコニコしていることに違和感を感じる僕。学校の先生に反抗したくなる僕。結局都合のいい時しか現れてくれない神様に不信感を抱く僕。キリスト教を取り巻くいろんな人にずっと反発していて、最終的に先生が置いた献花を捨てて自分の献花を置き直すことで都合のいいキリスト教なんかに囚われてる大人への反抗心を剥き出しにして、障子に穴を空けるラストシーンでは、認知症だったおじいちゃんの行動を重ねて「外に出たい」っていう心境を表現してるように見えた。そしてラストで「この映画は若くして亡くなった子に捧げます。」との文章が出るんだけど、もしかしたら監督も僕と同じような経験があって、大人の都合の良さに反抗していた気持ちがあったのかもしれないっていう想像を膨らましていた。

空気感からキャラ作りからメッセージの伝え方から絶妙でほんとに良かった。短い中にすっごく自然にキレイに作られていてマジで凄いなって感心した。