このレビューはネタバレを含みます
高校がキリスト教を信仰させているところに通っていた。
自分じゃどうにもできない悲しいことがあっても、
わたしが入りたいときの教会は、
いつも鍵がかかっていた。
そして、祈っても祈っても
なにも癒しや報いへの兆しは
みられないことが多かった
でも、「祈る」瞬間
神様に祈るということだけに想いの矢印がむいて、暗いところからすこしだけ離れられるのだ。
その瞬間だけが、祈ることしかできない人々への救済なのだとおもう。
好きな色が青色だって知っててよかった。
だって、ラッキーカラーだもん。
たまにある監視カメラみたいなアングルは
「神様がいつでもみているよ」と囁くようで、鳥肌がたった。
障子を破くときの顔がたまらなく美しくて、けれどこのときの気持ちを彼もおじいちゃんも、決して言葉にできないのだろうな。
終盤、祈りを捧げるために組んだ手で、神様を潰すところがほんとうに鮮やか。
彼がドンと音をたてて手を振りかざしたとき、分厚い聖書の重厚感、絶対的な存在を感じる。
そして、すこし押せば倒れてしまうような友人の遺影の写真。
この対比が、人という存在の脆さ、あっけなさをより際立っていた。
ここにいない、
もう答えをきくこともできない人がみていた景色をみたとき。みたような気になったとき。
わたしは、
想像する力があってよかったと涙がでそうになる。
祈ることしかできないと
床を叩き、自分を憎み、情けなくなって涙をながしてきた人たちへ贈る映画だ。
そうおもう。