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僕はイエス様が嫌いのshinyaのレビュー・感想・評価

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
3.5
ミッション系の学校を舞台にしてるので、キリスト教が題材の反宗教、反キリストの映画と思いきや、メインは少年2人の友情物語。

メインは友情物語ですが、もちろんそこに宗教観や信仰心も付属します。
子供を主役にすることで、より明確にいい意味で簡略化されたものが提示されてました。
故に物語としては物足りなさも感じましたね。描き方としては面白いけども、メインのストーリーは余りには単純な話という。
ただ、子供の在り方は素晴らしくて、よく良い監督は子供の演出が上手いと言われますが、子供たちの自然な感じは素晴らしかった。

撮影がフィックスや長回しが多く、じっくり対象を捉えながら、主人公の信仰心の象徴、イマジナリーフレンドとして小さなキリストが現れるというファンタジー部分もあり、生真面目さだけではなく、エンタメ要素も含んで製作してる姿勢も感じました。


誰しもが思う宗教の矛盾点というのは、世の中の不条理とも言える。
それを理解した上で、何を信仰するのか?どのように世の中を捉えて、どのように生きていくのか。
無宗教であっても人は何かを必ず信仰しているものだ。
少年は幼いながらに人の生死を体験して、自身の中で決断を下していた。
そこには友情という純粋で無垢な想いが祈りとして捧げられていたのだ。

ラストのあのショットは蛇足かなと。
これまで思考する余白を残すような創りをしていたので、あそこもあのショットだけでどの視点か解るのに。少し弱気になったのでしょうか。
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