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海獣の子供のmleeのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
3.0
この映画は理解するというより感覚を味わう類の映画。
鑑賞中ずっと波に浮かんで揺蕩っているような心地よい浮遊感を感じていた。
ちょっとでも「あれ?これってどういう…」って理屈考えようとすると夢から覚めるので、あぁ、考えちゃダメなやつと諦めただ受け入れる感じ。
特に後半は映画を観ているというよりは美術館で現代アートのインスタレーションを観ている気で楽しむべし。

普段、仕事してると大体論理的思考をフルに求められる。理由、原因、結果、反省、提案、考察、云々…私苦手なんですよ本当に。
いや、大事なのはわかるしお金貰うために必死でやるけど。
苦手科目な理屈詰の毎日にウンザリしている時になーんにも考えなくていいアニメとか見てると癒されるじゃないですか。
この映画はそれにアロママッサージがついてる感じ。
多分人によるけど。
論理的思考力が強い人には向かないし、必要ない映画なんじゃないかな。
映画としてどうかと問われるとなんと答えて良いか…私には割と「わかる」世界だったよ、というかな。

みんなの頭の上にずっと広がる宇宙をさ、ずっとずっとずーっと辿っていくと、1つの細胞の中の核に辿り着き、それは私のかもしれないし貴方のかもしれないし、そうやって全ての生き物は1つにつながっているんだよ。
…などという世迷言を、ちょっとだけコッソリ信じてみる心の余裕はあっても良いと思うんだな。
ちょっとだけ、コッソリだよ。
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