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海獣の子供のgnspのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
3.5
冒頭の坂を駆け下りるシーンに始まる、江ノ島の渚、海、そして海獣たち。
どこを切り取っても美しく抽象と写実の真ん中をとったような美術が織り成す、「誕生の深淵」に迫りし子供たちの物語…

と、とんでもないトリップ。
どんどんトリップに引っ張られていってクラクラした。

「誕生=母なる海」からどんどんとドライヴ、そしてトリップ。このトリップはまさしく「写実と抽象の間」を表現できるアニメならではの素晴らしすぎる表現だった。

ただ、そこに至るまで登場人物に説明させすぎなきらいあり。
そして謎の黒人おばさんの説明要員感がちょっとあからさますぎるかなと。

まぁそんなトリップだったんで、尼神の2人の棒読み演技がある種緊張の緩和に一役買っていたりする。
タレント声優って「この人がやります!」ってラベル貼りがされてるから悪目立ちしてしまうのであって、名前知らずに聞けば「上手くないな」と思う程度だったりするのかも。「プロメア」、「天気の子」と今作を観てきた中で思う。
しかし芦田さんはなんでもできるなマジで。


細かい?は残るけども、美しすぎる美術とトリップが104点だったので、これからの暑くなる時期に劇場で鑑賞するチャンスがあるのであれば、大海原を想いながら観ていただきたい。


「海洋版2001年」っていうあからさまな表現するのはダメだな…って思ってたら宇多さんが言ってたわ。
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