Shounosuke

海獣の子供のShounosukeのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
4.0
言葉の限界を超えた作品。

言葉で気持ちを伝えるのが不得手なるか琉花(るか)が海の中でジュゴンによって育てられという明るい性格の海と知的な性格の空の2人と出会い、海の生物たちの超常現象を目の当たりにする話。

観る人を選ぶ作品。というか、この作品の軸となっているパンスペルミア説を知らないと中盤からの描写についていけない。

パンスペルミア説とは、生命の起源に関する科学的仮説で、地球の生命の起源は他の天体で生まれた微生物などが地球に到達して生まれたという説で、簡単に言えば、彗星や隕石に付着した微生物などによって生命がもたらされたということ。

そのため冒頭から繰り返し言われる「星の。星々の。海は、海の親。」というフレーズや彗星が現れるシーンではこのパンスペルミア説をほのめかしている。

この説を頭に入ってる状態で中盤の映像を観ると、言葉で語れる限界を知ることができる。そして絵や音で感じる「何か」がそこにはあって、それもまた言葉ではなかなか表現が難しい凄さがあった。

言葉の無力さを感じさせられる映画。
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