このレビューはネタバレを含みます
とあるミュージシャンオタクの彼氏と一緒に暮らす主人公。
レアなCDを先に聞いただけでブチギレてくるほどのオタクっぷりにうんざりし、彼氏が運営するファンクラブサイトにミュージシャンの悪口を書き込むと、なんとミュージシャン本人から返事がきて…
というユニークな出会い方で始まる本作。
主人公の女性はやりたくもない実家の家業を継いだり彼氏からのストレスを我慢したり、本当の自分を抑え込む性格だったが、ミュージシャンとの出会いを機に、自分意志を持ち主張できるまでに成長する姿見るのは楽しい。
主人公の彼氏はほんとにクズ。最悪大嫌い。だけど主人公、彼氏、ミュージシャンの3人で食事をするシーンで、彼氏とミュージシャンがした口論が少し心に響いた(響いたと言う割になんと言っていたか覚えていない)。なんか共感した。確か彼氏が言った言葉に共感した。
ミュージシャンはミュージシャンでモテるので来る者拒まずで子どもたくさんいますみたいなオヤジなんだけど、どこか自分を見下していて軽蔑していて、心配になってしまうような存在。
ミュージシャンが倒れて死にかけたとき、家族大集合しててちょっと引いた。けどみんなオヤジのこと好きでちょっと羨ましかった。
主人公とミュージシャンはくっつくのかと思ったけど、そういうわけではなかった。
主人公だけでなく、ミュージシャンのオヤジの問題(娘とうまく行ってないとか)もちゃんと描いていて良い。
主人公、彼氏、オヤジ以外のキャラクターも結構濃くて、オヤジの娘はクズ男の子ども生んで捨てられてしまったり、主人公の妹はレズビアンで自由奔放。みたいな、モブらしいモブがいなくて面白かった。
終わり方がすごくよかったな〜という感じ。15年後にまた見たい