エブリデイねむろう

ほんとにあった!呪いのビデオ8のエブリデイねむろうのレビュー・感想・評価

3.5
投稿されてきたという心霊映像を検証・紹介する心霊ドキュメンタリー。
「ほんとにあった!呪いのビデオ」(以下ほん呪)第八弾。
演出・構成:松江哲明

「ダビング」

前作「ほん呪7」をダビングしたというテープに映り込んだ不可解な、顔。
レンタル用のVHSには「コピーガード」と呼ばれる仕掛けが施されているわけだが、すべてのビデオにあるわけではなかった。
この「ほん呪シリーズ」もコピーガードなしのレンタル商品だったわけだが、それを堂々と公開していくストロングスタイル。
しかも、ダビングすると怖い女が現れるぞと脅しまでかけていく。

実際、そういう威嚇の意味があるのか、かなり怖い顔がこちらを睨みつけてくる。
違法ダビング行為に業を煮やしたブロードウェイスタッフの怨念があらわれた、とでも言うのだろうか。

「駅のホーム」

この投稿者、前にどっかで見たな?
具体的にどれかは覚えていないが。
映像は通り過ぎていく電車の窓にいるはずのない人影が映りこんでいる。
オーソドックスだが手堅いつくりでよくできています。

「テレビ」

この投稿者はプロの映像屋である。
いきなり子どもがぶっ倒れて慌ててカメラを置く父親。
しかしその映像は、子どもの顔をばっちり捉えているのだった。
これぞプロの犯行と言えるだろう。

映像そのものはテレビから奇妙な機械音が流れ子どもが意識を失う。
インタビューでもポケモン事件について触れられているが、その罪をコナンくんになすりつけたい任天堂の怨念がかたちとなってあらわれた、とでも言うのだろうか。
なおこの作品はのちに追跡取材が行われる。

「遊園地」

廃墟となった遊園地を8mmフィルムで撮影したもの。
被写体の女性の顔に黒いもやがかかるのだが、一瞬だし、それでなくてもザラついていて解像度の低い映像にあって、このほんのわずかな変化を心霊現象と看破して製作委員会に映像を送る感性はすごいと思う。
わたしならただの映像の乱れとしか思わない。

「運動会」

はいはいシミュラクラ、シミュラクラ。

「ラブホテル」

ラブホテルの部屋で撮影された映像。
取材のなかで不気味なノートの存在を知ったスタッフが調査に向かうと…。

こういうノート、普通に苦情がきてホテル側が撤去してしまいそうなもんだが。
よく残ってたな。
ついてますねスタッフ。

映像は心霊そのものよりラブホでテンション上がるカップルの感じがすごくいい。
下手なアダルトビデオより生々しくて興奮する。
つーかホテルでビデオまわされてることをなにも思わないこの女はプロの可能性がある。

「動物園」

昭和63年に撮影されたという映像。
こういう設定、ぶっちゃけかなり適当だろうと思ってたんだけど、この映像について言えば、駐車場に並んでいる車を見て「あーこりゃほんとのやつだ」と納得してしまう。
いやー当時の車、こういう感じが多かったよね。
懐かしい。
幽霊はよくわからない。

「団地」

すごい年季の入った公営団地。
雰囲気抜群で実にエモい。
説得力のあるロケーションだ。
さっきの動物園も含め、心霊映像としてより記録映像として価値がありそう。

「鏡」

すごい部屋だなー。
どっかのペンションかと思うほど綺麗な木の部屋だ。
住んでみたいなこんな部屋。

「河原」

対岸に渡った人、めっちゃ石投げられてて草。

「映画館」

この辺よくわからないんだけど、監視カメラって毎日確認するものなの?
そりゃなんかあったときには確認するだろうけどさ。

「続・テレビ」

インタビューを受ける義母の背後でうごめく動物霊。
かわいいわんちゃんだ、とでも言うのだろうか。

妻の実家で8mmフィルムを見たことを思い出したという父親。
そこで見つかった映像に映りこんでいた怪奇現象とは?
そして、インタビュー中に事態を悪化させるスタッフの不用意な言動とは?

ほん呪シリーズの様式美が確立された瞬間である。

2023ー旧034