ほうゆー

泣くな赤鬼のほうゆーのネタバレレビュー・内容・結末

泣くな赤鬼(2019年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて。

すっごい泣いたんですが、そりゃこの運命だったら泣くよね。というか私は「俳優さんがうまいとつられて泣いてしまう」残念な体質なので、終盤ほぼ泣いていました。それだけ演技は良かったです。
ただ内容は普通かな…というより、ちょっと肉付け不足かと思いました。以下そう思った点を述べます。

原作を読んでいない人間の素直な感想として、赤鬼がそこまで魅力的では無かったんです。私が集団スポーツ未経験の人間だからか、あの監督がそこまで慕われるような人には思えなくて。

おそらくゴルゴが母子家庭でそだち、父親、父性に憧れがあったことが、赤鬼への評価にバイアスをかけていたのだと思います。ですが、正直映画では、それは全く読み取れませんでした。描かれていません。

そして、ゴルゴが退部を告げるとき。完璧ではありませんが、以下のような台詞でしたよね。
「努力したら報われるとか嘘じゃん。どんだけ頑張ってもレギュラーになれる奴となれないやつがいて、報われるのは一人じゃん。しかも、それを決めてるのは先生じゃん。」
これ、本当に正論ですよね。めっちゃ正論ですよ。いや本当にその通り。

これに赤鬼は全くアンサーを返さないんですよ。私はその時点で赤鬼がまっっったく、魅力的に見えなくなってしまいまして。可能性が消えたというか。

あれだけ部活も学校生活もギリギリの生徒が、あんなにまっすぐぶつかってきたのに、もういい退部だな、で終わらせちゃうって…ちょっと理解できない…大人ってそうなの?いやちょっと…
しかも精神論を理由に「報われない」側に位置付けた本人がですよ。なんだこいつ。書いてるうちに、より嫌気がさしてきました。評価を3から0.2下げました、今。

もしかしたら原作には、こういった不満がうまれないための何かがあったのかもしれません。他に赤鬼が良いやつに思える話が。
でも私は駄目でした。ゴルゴ、こんな奴に頼らず、他の先生にも相談してみたら良かったのに。野球少年からみた監督は、それだけ大きく立派な存在ということでしょうか。

そんなわけで、「赤鬼がそこまで慕われる理由がわからない」「赤鬼がそんな慕われるのが不自然に思える」。終始、そういった不満が消えないまま鑑賞しました。もうちょいどうにかならなかったかなぁ…
ほうゆー

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