れーちゃん

岬の兄妹のれーちゃんのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
2.5
『さがす』鑑賞前に同監督作品の本作を鑑賞。
そしてレビュー漏れだったので『さがす』を観た後の視点でレビューを書く。

あらすじを読まずに見たのでこんなきついストーリーだとは思わなかったが、内容云々よりもこの監督の癖みたいなものがいろんなシーンに散りばめられていて気持ち悪く感じた。

ある日自閉症の妹のポケットから萬券が出てくる。どうしたの?と問い詰めると「冒険した」という。妹の下着には精子らしきものが付着しており、兄は"冒険"の意味を知る。

しかしそんな兄自身も足が悪い障害者であり、ある日職場の人員カットの対象となってしまう。

ただでさえ苦しい生活を送っていた2人だったが、とうとう無収入の境地に立たされるがある時、また妹が「冒険する」と言い出す。兄は妹の冒険を斡旋するようになる。。

全体的に気持ちが悪くて私はよく最後まで見れたなという感じだったけど結末が知りたくて乗り越えられたような。

身体に不自由を抱えた人間や貧困な環境に置かれた人間たちが生きることは大変なんだということをこの作品を通して伝えたかったのではあると思うが、だとしたら不要なシーンが多かった。

兄と妹の生活が本当に汚らしくその感じは最後まである。
生活難民だからといってこうなるのか?と思った。
その辺りも2人の生きてきた過程的な部分を描きたかったのだろうが。。

そして、ヤクザが出てくるシーンでは妹の過去を見せたかったのではあると思うが、あんな風な描き方で兄が回想しなくてもよかったのではないだろうか?
そして兄がその光景を目の当たりにしているシチュエーション。。癖でしかない。
見ているこちらは気持ちが悪いとしか思えなかった。1番胸糞悪いシーンだった。

妹の相手として小人の男性が引き合いに出される。
お互い障害を持ったもの同士、分かり合っているかのように見せかせて、非常によくない演出が待っている。
小人の彼は意志もはっきりあるので兄にビシッと言い放つ場面があるが、彼にそんなことを言わせるのはどうなのだろうかと思う。
しかも役者さんの彼本人が小人なのに、そんなことを言わせていいのだろうか?と疑問に思った。

また警察官の男が変な正義感と妙な親切心を持っていたのもいまいちだったなぁ。

気持ち悪いを連呼して申し訳ないが、ストーリー構成は良いのに不要な演出の連続により変な映画となってしまっていた。

また、この後に見た『さがす』でも同様に不要なシーンが入っており、これは完全に監督の癖なのだろうなと確信した。
どちらの作品もストーリーの構成はいいのになんでAV要素を盛り込みたいのだろうか。。
れーちゃん

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