はせぴょ

岬の兄妹のはせぴょのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
5.0
こんなすげえ作品、5点満点出すしかないじゃないか。

わざわざ不快感を味わうために映画観たくない、とか、映画観てる時くらいハッピーな気持ちになりたい、とかそれはそれ。

中途半端に表面だけ切り取ってお茶を濁したり、肝心な部分をボヤけさせたりしてる邦画は数限りなく見てきたけど、ストレートにリアルなままを見せる、遂にこんな作品が現れたか、という感動と衝撃。

試写会にて。とんでもない邦画が現れた。コンプライアンスもタブーも関係なしの障がい者のリアル。昨日の半世界が今年の邦画1位になるかと思ったらこの作品が軽々と超えてしまった。
この作品が処女作という監督はポン・ジュノ助監督をしていたという。一連のイ・チャンドン、キムギドクに切迫する傑作。映画の余韻が抜けない。

海外で映画賞を獲得してる一連の韓国映画を観てて、邦画は生ぬるいなぁ、と思ってたところに衝撃と破壊力ありすぎる作品がついに来たか!という感じ。

自閉症、売春、童貞、いじめ、小人病、貧困、独居老人…これだけのテーマが次々とごまかされることなく出てくるから圧倒感に脳髄やられそうになった。

上映後は樋口毅宏、森直人、片山慎三監督、主演二人による上映後トークショー。
森氏の「ここから新しい邦画界が始まる」樋口氏の「カメラを止めるな、の次は『岬の兄妹』」この言葉に尽きる。

この作品は監督の自費で作られた完全自主制作とのこと。
一大事件を起こした、カメラを止めるな!からさらに邦画革命を起こすことに期待。
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