ひらかわ

太陽は光り輝くのひらかわのレビュー・感想・評価

太陽は光り輝く(1953年製作の映画)
4.0
対比の映画だと思う。南北戦争の南と北。戦争と選挙。白人と黒人。怒りの隊列と喪の葬列。まったく単純でない世界を、人情味豊かに、ユーモアを交えて美しく捉えている。

おじさん達は常に少しずっこけていて、それでも矜持を持っている。法廷で刻まれる、黒人青年の歌とリズムの、まあ見事なこと。そして馬を走らせれば、見事に誰も真似のできない迫真のシーンが出来する。

こんな行動を取れば目の前に迫った選挙に負けるかもしれない、それでもー。プリースト判事の決断は、きれいごとかもしれないけれど、体温を感じさせる。極めて現代的な、ポピュリズムへの問いだ。

多くの人が指摘するように、とある女性の死を悼む葬列に一人一人が加わっていくシーンは、人間存在への根本からの肯定を視覚的に見せており、圧巻。
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