【ブラインドメタボなオッチャンヒーロー】
SIFFJ2017/南インド映画祭での上映にて。
只のオッチャンにスーパースターの肩書がつくという、南インド映画七不思議?を基盤とした娯楽作。
いや、主演モーハンラールはいい役者さんです。でもスーパーヒーローに“変身”しちゃうのが南インドだよね。日本だと誰だろう?も少し若い頃の西田敏行が、突如クンフーで10人ほど瞬殺して決めポーズする感じ?
これをギャグでなくヒロイズムとして楽しめるかがポイント。…いや、ギャグとみても楽しいけどさ。
連続殺人事件に盲人である主人公が巻き込まれ、犯人に仕立てられそうになるが…というサスペンス、時々ギャグ。幹は単純な話ですが枝葉が多い。どういう狙いの構成か、私はわかりませんでした。
人物関係も妙に複雑で追うのに苦労。主人公の職業も、終わってみてもよくわからない…_(・。・)~゜元々、主人公と犯人には接点も共通点もないし、物語としてナゼ主人公が巻き込まれるのか、その意味づけがわからない。入り込めなかった一番の理由はこれかなあ。
結論であろう、邦題で補足される“きみと共に” …原題OPPAMは一緒に、の意味…この絆を唯一無二にするためのお膳立てが弱いと思いました。
枝葉多しでも、個別にみれば魅力多々。映像の構築力は美しく足腰強く見惚れます。ケーララ州の自然描写に心洗われる。緑溢れる農村部から、船で川を下るとシャープな都心部に変わりゆく滑らかさなど、サウス映画ならでは。ロケは全般、素晴しいですね。
オッチャン主人公の一方で、若いカップルによる披露宴ダンス・スペクタクルなどもキチンと用意して華やかに盛り上げる。脇役で勿体ないが、メイドさん婦警さんという美女も完備。
後者は切れ者っぽく登場するので活躍しないかな…と思ったらけっこう頑張ってくれました。ホリー・ヴァランス顔の婦警さん、現場に出たら銃の構えからしてダメダメになっちゃったけど。
単純な話、『暗くなるまで待って』じゃないけど、主人公が綺麗なお姉さんだったらまるで印象変わって、より入り込めたでしょうね。
<2017.5.9記>