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隣の影のchinsukoのレビュー・感想・評価

隣の影(2017年製作の映画)
3.6
陰湿な隣人トラブル、リアルか虚偽か

アメリカじゃ『ネイバーズ』なんて言うブラック・コメディで隣人トラブルを笑い飛ばしたりしていましたが、本作はそうではなく、誰にでも起こりそうなリアルを描写しています。
冒頭のシーン劇伴の不穏な感じから重苦しい映画だなと思わさせられました。

本作は隣人同士のイザコザと、息子の離婚問題の2パートで構成されていて、息子夫婦が住んでいるアパートも隣の下品な会話や喘ぎ声が聞こえたりと住民集会をもって問題提起していました。

喧嘩両成敗と良く言いますが、本作の印象として、まず老夫婦の婦人がまず異常・異様でしたね。息子の嫁もちょっと異常に感じました。
結局、婦人の異常な行動から始まって、相手はやられたらやり返すで、報復に躊躇する余裕なく反撃に転じてしまった。

これは人間の本能でしょうか。

疑いを持っているだけならまだ良いのですが、積もった鬱屈を晴らすように行動した事が引き金となって攻撃し、その攻撃が異常であればあるほど報復までに時間は掛からない。雪崩のように報復合戦が展開されると言う事でしょう。

本作はリアルを描いていると言いましたが、実際こんな人たちはいないだろうと思う所もあります。

総じて、一線を越えた人間どもの恐ろしさが垣間見れる秀作だと思いました。
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