Mikea

この世界の(さらにいくつもの)片隅にのMikeaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

いきなり結婚して、周作さんの過去を知ってしまって、晴美ちゃんを亡くして、いろんなことができる右手もなくして。辛いことたくさんあったのに時間は過ぎていく。悔しくて、悲しんで、それでも笑ったりして、毎日が繰り返される。生きていくのってこういうものなのかなと思った。

今は自分のことを好いてくれても、前好きだった人との思い出が見え隠れしているのってつらいよね。

何が愛なのかなんて分からないけど、いつ会えなくなるか分からないような時代にお互い素直になって関係を築けるすずと周作の間には本物の愛があったような気がした。
最後に2人が女の子を引き取ったのとても記憶に残るシーンだったなあ

幸せな終わり方でも観てる人に幸せを感じさせないような描写ですごいと思った。そりゃ戦争だから当たり前かもしれないけど、なんだろう、終戦はしあわせなことで、しあわせには見えるししあわせに生きているのだろうけど、それぞれが体験した辛くて忘れられないような過去は消えなくて、その過去とともに生きていくしかなくて。その上での新たな「しあわせ」なんだなあと思った。

呉が焼け野原になったのを見たとき、ふと私のお気に入りの場所を思い出した。川沿いの散歩道、よく行く公園、庭園美術館、登下校の道、付き合ってた人との思い出の場所。それが全部消えてしまったとき、私の心の拠り所はどうなるんだろう。思い入れが深い分、想像したらすぐ涙が出た。

絶対に戦争はしてはいけないって心から思います。
Mikea

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