このレビューはネタバレを含みます
このトーンだからこそ戦争の怖さがより伝わってくる。日常と人がゆっくり形を変えていく怖さ。大事と思えなくなっていく怖さ。
原爆投下のシーンは言わずもがなだが、個人的には姪が亡くなったあとの空襲の後の虚ろな表情をしたすずさんのシーンが忘れられない。
だいぶマジカルなシーンが多いのもこの映画の雰囲気をまた特有なものにしていると思う。それでも最終盤の自分たちに釘を刺すような被爆者のシーンで、作品全体のトーンをふわっとさせない意地のようなものも感じた。
「呉は自分で選んだ場所じゃけぇ」