私たちは、浅はかだ。
あの人たちのように慎ましく、
強く生きたいけれど、それはかなり難しい。
なぜなら、経験していないから。
戦争の無い時代を生きているから。
そして、やっと、やっと気付く。
毎週訪問するおばあちゃま、
おじいちゃまが
孫の名前を忘れても
75年経っても、
あの日々を、毎回の様に語る理由を。
今日訪問したおじいちゃまが言っていた、
「自由は不自由だ、あの頃の我々には
懸命に生きる選択肢しかなかった」
ふとした会話から、昨日のように蘇るあの日。
おとぎ話でもなんでもなく、
体験したあの人たちの中では、
戦争は今も、
永遠に反芻されて治らないケロイドだ。
そして経験していない私たちはこれを観て
「悲しかった」「辛かった」
で終わらせては、ならない。
観終わった後に入ったコンビニ、
眩しくて、
いらないもんばっかだなあと、思った。
そして罪悪感たっぷりに
コーラを買うのだった。
人はそんなに変われない。
でもこの罪悪感が、小さな芽だといいな。
いらないもので溢れたこの時代が
懸命に生きた延長線上の産物ならば、
大切にしなきゃとも思う。
あとなんか独身でもいいかな、
と思っていたけど、
やっぱりダメだなあ、
繋いでいかなきゃなあ、
命を、
と まで思ってしまった。
前作を3回と、原作も読んで
覚えているはずなのに
やっぱり胸が痛くて、涙が止まらなかった。
またきっと忘れるから、
また何回も観ようと思う。
忘れられない映画が観れる、有難さを。