湯呑

マガディーラ 勇者転生の湯呑のレビュー・感想・評価

マガディーラ 勇者転生(2009年製作の映画)
4.0
本作は、空前の大ヒットとなった『バーフバリ』の原点と言われているらしい。私は『バーフバリ』を未見の為、詳しく分からないのだが、おそらくホメロスをモチーフに権力と愛をめぐる闘争を描く過去パートの事を指しているのだろう。400年前の壮大な神話的世界をラージャマウリは輪廻転生と業(カルマ)というヒンドゥー教的死生観の下、強引に現代へと接続してしまう。現代パートは80年代の香港映画へのオマージュに満ちた能天気な展開が続くので、ここに重厚な歴史ドラマが重なる構成に、心ある映画ファンはめまいを覚えるに違いない。この過去パートと現代パートのトーンの違いを、1本の映画としてどの様にまとめるか。本作では「役者がすごく真面目な顔をする」と「役者がすごくふざけた顔をする」という違いのみで解決しているのである。
色々と言いたいことはあるのだが、このぬけぬけとした強引さは嫌いではない。
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