【電熱器とタライ】

「天皇の名のもとに」と二本立て。
島のサトウキビ畑の中に1人住むハルモニ、アキコさんの数奇な人生を、まだ若い監督が何回も足を運び、ときにおずおずと、ときにグッと踏ん張って、丁寧に聞いていく。アキコさんの本名はぺ・ポンギ。「センピー」と呼ばれた、朝鮮から来た従軍慰安婦だ。
アキコさんは淡々と人生を語る。激昂しないし、聞かれてないことを語り出したりもしない。当時のこと、一緒にいた仲間たちのことを少し。アキコさんのことを覚えているという人を見つけた監督が会いたいか、と聞くが、その質問にはまるで答えない。日本には勝ってほしかったといい、美空ひばりと小林旭のファンだという。
「天皇の名のもとに」は、南京大虐殺の決定的に見える資料がいくつか登場。こんなにちゃんとした資料や証言があるのに、いつのまにか、虐殺自体あったかなかったわからない、みたいな話をすることが恥ずかしいことではなくなってる。世の中は度し難いし、世の中は怖い。
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座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルにて。

観賞後の山谷監督のトークイベントがあり、お話を聞けたことで劇中のに感じたもやもやが解けた気がする。
この時は真実を語ってて、これは何か誤魔化そうとしてるといった部分で何故そうしたかが腑に落ちた。