倉持リネン

まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人の倉持リネンのレビュー・感想・評価

3.8
コミュニティカレッジに入学した19歳の青年は、寮に向かう道で異常な程の歓迎を受ける。

初対面の学生達にハイタッチされ、ハグされ、女の子にキスまでされる。
不思議に思っていたら部屋に青年が飛び込んできて「お前、養子か?誕生日は7月12日か?」と。

青年の話を聞く限り、どうやらこの学校には既に自分の生き別れた双子が通っているようだ。。

生き別れた双子のニュースは瞬く間に話題になり幾つもの新聞記事に。

別の場所で、その新聞記事に載った写真を見た別の青年は思わず彼らを探して連絡した。
「多分、僕は3人目だと思うんだ……」


まずここまでを本人達の語りと再現ビデオでテンポよく見せられるのだが、これが面白くて一気に引き込まれた!

本人たちも言っていたが、本当に嘘みたいな話である。
これ、当時リアルタイムで見てた人はどう思ったんだろう?到底信じられる話じゃない。

前半もかなり信じ難い展開だったが、後半はまた別のベクトルで驚くべき話が出てきて唖然とする。

実はこの話自体はYouTubeのショート動画か何かで見た事があってなんとなく話の大筋は知っていたんだけど、兄弟が辿った結末、そして他の被験者たちのことは詳しく知らなかったのでかなり驚いたし「こんなことがあっていいのか……とやるせ無い気持ちになった。


遺伝によってある程度人生が左右されるという話は作中の研究員が言う通りちょっと聴きたくない事実ではあるが、人生割と運で決まる部分が多いとも思っているのでそれも運の一環だと思えばそんなもんかなとも。

養子である我が子達の為に戦う親達の姿を見て血の繋がりを超えた愛を感じたが、そんな親たちすら年収などで研究員によって選別されていたというのは辛かった。
倉持リネン

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